バネホックの付け方と外し方|レザークラフト

革小物やバッグのかぶせやフラップ部分に欠かせないのがバネホックです。

この記事ではバネホックの種類やサイズ、付け方や外し方について解説しています。

[バネホックの付け方]アタマの種類

ホソ・ゲンコ・アタマ・バネ

バネホックは1つ取り付けるのに4つのパーツが必要になります。凸の金具はホソとゲンコ、凹の金具はアタマとバネになります。

バネホックのアタマの種類

アタマの部分が表面に出るので、アタマの金具は丸みを帯びたおなじみのもののほか、ガラスや花などのモチーフのもの、アタマを見せないハンシャというものなど種類がいろいろあります。

色はシルバー、ゴールド、アンティーク、黒ニッケルなどがあり、素材は鉄や真鍮でできています。そこにニッケル加工やメッキ加工、サビ加工などを施して幅広いラインナップになっています。

ハンシャの例

ハンシャ(隠しアタマ)を使用すると上のようにバネホックが表から見えないようにスッキリできます。

バネホックのサイズ

バネホックのサイズは(ノーマルタイプの)アタマの直径で決まっています。

そのサイズによって打ち具が変わるので、バネホックのサイズに合った打ち具を用意する必要があります。

名称 アタマの直径 打ち具
バネホックNo.1 10mm 打ち棒 小
バネホックNo.2 11.5mm
バネホックNo.5 13mm 打ち棒 大
バネホック8050 15mm 打ち棒 特大

アタマの直径は一般的な丸い頭のサイズです。

バネホックの打ち具は、3種類でNo1とNo2は同じものです。一般的に(小)や(大)のように表記されていることが多いですが、どのバネホックに対応しているかしっかり確認してから購入しましょう。

バネホックの付け方

バネホックに必要な道具

バネホックの取り付けに必要な工具は、木づち、オールマイティプレート、打ち棒(2本)、ゴム板です。

オールマイティプレートは硬い金属製で、バネホックのアタマが変形しないように、サイズごとの凹みが施されています。

アタマを平らにしたい場合は、オールマイティプレートの裏面の平らな面を使用することもあります。

バネホックの打ち棒

バネホックの打ち棒はゲンコ(凸)を打つものと、バネ(凹)を打つものの2本必要です。

バネホックのサイズに合わせた打ち棒が必要になります。

バネホックを付ける位置に穴をあける

穴をあける

バネホック金具を付ける前に穴をあける必要があります。

穴の大きさはそれぞれ異なっていることに注意してください。ホソの穴は小さく、バネの穴は大きくなっています。

ホソとポンチのサイズ

穴をあけるハトメ抜きにもいろいろサイズがありますが、ホソとハトメ抜きを上のように合わせてみて、同じくらいのサイズのものを選べばいいです。

不安な場合はやや小さめのハトメ抜きで穴をあけてみて、合わなかったら一つ大きなハトメ抜きで穴をあけ直すことができます。(大きい穴を小さくすることはできないので注意しましょう)

バネとポンチのサイズ

バネのほうも同じくハトメ抜きを合わせてみて、ハトメ抜きのサイズを選べばいいです。

バネホックのホソとゲンコを付ける

ゲンコをかぶせる

小さい方の穴にホソ金具を通し、上からゲンコ金具をかぶせて押さえます。

オールマイティプレート

ゴム板の上にオールマイティプレートを平らな面(裏面)を上にして置き、その上に凸部を乗せます。

ゲンコに合う打ち棒

凸用の打ち棒をゲンコにはめ込むように入れます。

木づちで叩く

打ち棒を垂直に保ちながら、上からまっすぐ木づちで叩きます。

ホソとゲンコ

うまく取り付けられれば、上のようになります。

バネホックのアタマとバネを付ける

窪みに合わせる

一般的な丸いアタマの場合、ゴム板の上にオールマイティプレートを置き、アタマのサイズに合った窪みにアタマの金具を乗せます。

バネをはめる

アタマに革にあけた穴を通し、その上にバネの金具を乗せます。

バネの打ち棒

打ち棒の先をアタマ金具の穴にはめるような感じで差し込みます。

木づちでたたく

打ち棒を垂直にまっすぐして、木づちでまっすぐ叩きます。

バネの取り付け前後

うまく取りつけられると、上のようにアタマ金具の穴が広がって、バネと固定されます。

バネの向き

ちなみに、本によってはバネ金具の方向(黄色の矢印)について書かれている場合がありますが、縦か横に揃えておくと見た目が綺麗です。

なおなお

折る方向に対して縦にしたほうがいいという話もありますが、個人的にはどっちでもいいと考えています。

装飾のアタマの付け方

装飾タイプのアタマの場合は、オールマイティプレートに置くときにハギレの革などを間に敷いて、装飾のアタマが傷つかないようにしましょう。

薄い革では失敗することもある

バネホックの補強

バネホックNo5以上のサイズを薄い革に付ける場合、よく失敗することがあります。

これは革の厚みが単純に足らない(合っていない)ので、パーツを厚くする(裏表貼るとか)か、見えない部分なら写真のように補強の革を付けるとうまく付けられます。

写真のように補強する場合は表からあたりがでやすいので、斜め漉きなどしておくと良いでしょう。

バネホックの外し方

金具はずし

楽天市場:金具はずしセット

カシメやホックなどは喰い切りという工具を使えば取れなくは無いですが、革が傷つきやすいです。

そんな時には「金具はずしキット」を使えば簡単に外すことができます。

使い方は簡単でアタマの部分を金具はずしの穴にはめて、バネ側から付属の打ち棒で叩けば簡単に外すことができます。外した金具は使えないので注意しましょう。

また、金具はずしキットで外せるのは「バネ&アタマ」のみで、「ホソ&ゲンコ」側は取ることはできません。

なおなお

金具はずしキットはカシメを外すのがメインです。というのも、バネホックはほとんど失敗することが無いからですね。