外縫いステッチが可愛いポーチを変形胴合わせで作る
ポーチは袋縫い(内縫い)で作るのが一般的ですが、せっかくの手縫いだから外縫いでステッチを見えるようにするのもいいですよ。
今回はA4サイズのカットレザーで作れるように型紙をつくりました。マチもあるので収納力もあります。
【ポーチの材料】
作品名 | ポーチ |
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完成寸法 | 幅180mm×高113mm×厚40mm |
革 | 約6ds(A4サイズ)柔らかめの革がおすすめ ・テラレザー(タンニン)1.5mm厚 カーキ|協伸オンラインショップ |
革以外の材料 | ・SINCE ワックスリネン糸 生成色 ・ファスナー3号 16mm ゴールド |
今回最初に作ったポーチは底部分がイマイチだったので、型紙修正しました。
記事上の写真は最初に作ったポーチも混ざっていますのでご了承ください。
外縫いポーチの作り方と手順|レザークラフト
今回はA4カットレザーでちょうど作れるので、あらかじめ床面をトコノールで処理しておきます。
そのあと型紙を革にあてて「けがき」をして、革を裁断します。また、型紙にある「基点」や「切りしろ」の位置などを革にトレースしておきます。
[ポーチの作り方]縫い穴を全て先にあけておく
組立てから縫い穴をあけにくい箇所がでてくるので、あらかじめ縫い穴を全てあけておきます。
正面を決めて、ファスナー取り付け部分、サイド、底に菱目打ちで穴をあけてきます。
型紙にファスナーを縫う箇所の基点に印があるので、銀面に目打ちで印をつけて、その上にガイドラインを引きます。
菱目打ちで穴をあけていきます。4mmピッチの菱目打ちを使用しました。
次に正面側のサイドに縫い穴をあけます。
型紙に基点の印があるので、目打ちで銀面に印をつけて、ガイドラインを引いて穴をあけていきます。
底部分も縫い穴をあけてください。型紙に基点があるので、基点からガイドラインを引いて縫い穴をあけます。
[ポーチの作り方]後でコバを塗れない部分を仕上げておく
縫い合わせてからだとコバを仕上げにくい部分をあらかじめコバ仕上げしておきます。
上の型紙で言うと赤線の部分です。
コバに水を含ませて帆布で磨いて、染料を塗りました。(トコノールで素仕上げでもいいですよ)
レザークラフトでのコバの仕上げや磨きは最終的な作品のクオリティに影響します。コバ仕上げ剤や染料、ヘリ返しなどの仕上げ方があります。タンニン鞣しの革は磨くほど繊維がまとまって硬くなり、ツヤが出て丈夫になっていきます。
[ポーチの作り方]先に底部を縫う
「変形胴合わせ」の底部分が組み立てにくいので、先に縫い合わせます。
型紙の平漉きと書いている箇所(写真のピンク部分)を革包丁などで平漉きします。
平漉きすることで、底とサイドが綺麗に折れ曲がります。
写真のように折り曲げて平漉きするとやりやすいです。
平漉きが難しい場合は粗目のヤスリで削るのでも構いません。
平漉きした部分の銀面側にゴムのりをつけるので、表面を荒らします。
底部分の貼り合わせる箇所にゴムのりを付けます(写真のピンク部分)。
平漉きした部分を底に折り込むように貼り付けます。
このような形状になります。(写真ではコバ仕上げしていませんが、実際はコバ仕上げしておいてください)
床面側から見るとこのようになっています。
底部を縫い合わせます。穴が貫通していないので、コルク板などを下敷きにして菱ギリなどで穴を貫通させながら縫い合わせます。(写真は底部分だけを再現した試作品です)
同じように反対側の底部分も縫い合わせます。
[ポーチの作り方]ファスナーを付ける
次にファスナーを取り付けます。ファスナーのテープの端をゴムのりなどで折り込んでおきます。
ファスナーのセンターに印をつけます。同様に床面のファスナー取り付け部分のセンターにも印をつけておきます。
ファスナーの縫い合わせる部分にゴムのりをつけます。ゴムのりをつける範囲は以下の記事を参考にしてください。
レザークラフトのファスナーの取り付け方と縫い方を解説します。ファスナーの長さやサイズによって型紙の考え方も違います。ファスナーは財布やバッグ、ポーチなどいろいろな革製品に使われるので覚えておきたい技法です。
ファスナーを付ける革(床面)にもゴムのりをつけます。
ファスナーの中心と革パーツの中心の印を合わせるように、中心から端に向かってファスナーを貼り合わせます。
ファスナーを付ける部分は緩やかな曲線になっています。ファスナーのテープをうまく調整しながら貼り付けます。
テープを無理に引っ張ったりしないように自然な感じで貼り付けます。
テープの縫い目(写真の矢印のライン)に沿って貼るのがポイントです。
ファスナーの片側を縫い合わせます。
ちなみにファスナーの向きは、正面に向かって右利きなら「左から右」に開ける方向がよいとされています。まぁ、自由ですが。
もう片側にもゴムのりを付けて貼り付けます。
縫い合わせる前にファスナーの噛み合いがずれていないか、開閉しやすいかどうかを確認します。
ファスナーがスムーズに開閉する位置に貼り付けられたら、そのまま縫い合わせます。
これでファスナーの取り付けは完了です。
[ポーチの作り方]サイドを縫い合わせる
ポーチのサイドにゴムのりをつけて貼り合わせます。
正面側に縫い穴があいているので、コルク板などを下敷きにして菱ギリなどで縫い穴を貫通させます。
縫い穴がすべて貫通したら縫い合わせます。
サイドの上下は糸をヘリにかけるようにします。
縫い合わせたら型紙の「切りしろ」のラインに沿って、端を切り落とします。こうすることでサイドの断面が綺麗に揃います。
[ポーチの作り方]コバを仕上げる
サイドのコバを仕上げて完成です。
補足:底部分を改良しました
最初はよくある変形胴合わせにしたのですが、バッグのような大きなものと違って、ポーチのような小さいものではうまくいきませんでした。
ということで、底部は改良しました。
改良版をもう一回作るのは面倒だったので、とりあえず底部分だけ再現して作れるか試しています。
今回の型紙は改良版のほうに修正してアップしています。