パスケースの作り方でレザークラフトの流れがわかる
レザークラフトで最初に作ると言えば「パスケース」よね。
初心者キットなどでは、パーツが裁断されているけど、ゼロから自分で切るのは意外に難しいので侮らないように。
- レザークラフトの切る・貼る・縫うの流れをつかむ
- 革を型紙通りに切る難しさを知る
【パスケースの材料】
作品名 | パスケース |
---|---|
革 | 約2.5ds ・ヌメ革きなりA4サイズ 1.0mm DIY leather ・オイルヌメ#01 キャメル 1.0㎜厚 協伸オンラインショップ |
革以外の材料 | ・麻糸(ロウ引きラミー糸 細 全10色 20/3番手 100m[協進エル] |
パスケースはデザインであまり差別化できないので、パーツごとに革の色を変えたり、ステッチの色を変えたりして、個性を出すといいですよ。
パスケースの作り方と手順
革に型紙をあてて、目打ちでけがいていきます。
レザークラフトの「けがき」は革に型紙を写すこと 「けがき」というのは聞きなれない言葉ですが、レザークラフトでは …
けがきが終わったら、カッターナイフ(または革包丁)で、けがき線通りに革を裁断していきます。
切ったパーツが綺麗に重なれば、上手に切れています。多少ズレていてもこの時点では何もしなくて構いません。
同じ形状のパーツを重ねる時は、片方をやや大きく切って、貼り合わせてから形を切りそろえる方法もあります。
今回はあえてパーツごとに切って、裁断の難しさを勉強しましょう。
パスケースのくり抜き部分
通常パスケースのくり抜きは、大きめのポンチで穴を2カ所あけて、その円の端どうしを直線で結んでくり抜きます。
ただ、大きめの径のポンチは最初から持ってる人は少ないので、カッターナイフで切り抜いてみます。
型紙を革に重ねて、円の中の点に目打ちで印をつけます。
その印から円の中心へ切り抜きを適当に入れます。この工程は無くてもいいですが、あると切りやすいです。
円は1円玉と同じサイズにしているので、最初につけた印に1円玉を合わせて、カッターナイフ(できれば細いやつ)で慎重になぞるように切ります。
半円の端を結ぶように、直線を切れば切り抜くことができます。
切り抜いた部分の形状をやすりで整えましょう。
3つのパーツが揃いました。
パスケースの床面を磨く
3つのパーツ全部の床面をトコノールで綺麗にします。
トコノールを薄く全面に塗って、布で磨きます。(ガラス板がある人はガラス板で磨いてもOKです)
貼り付けをイメージして、塗った後にコバ処理できない部分は、あらかじめコバを磨いておきます。
コバを帆布で磨いてから、トコノールをつけて、スリッカーで磨いていきます。
パスケースに飾り捻を入れてクオリティアップ
パーツの縁にネジ捻で飾り捻を入れると、見た目のクオリティがアップして見えます。
ネジ捻を1ミリに調整して、矢印の箇所に飾り捻を入れてみましょう。曲線は難しいのでハギレの革で練習するといいですよ。
パスケースのパーツを接着
パーツの縫う部分(フチから3ミリ)の部分にゴムのりを付けますが、接着しやすいようにカッターナイフで表面を荒らします。
荒らした部分にゴムのりを薄くつけていきます。ゴムのりは接着するパーツの両方につけないといけません。
また、ゴムのりは乾いてから接着するものなので、乾かしてから接着し、そのあとはローラーなどで圧着します。
くり抜いたパーツもフチを荒らしてゴムのりで接着します。
綺麗に切ったつもりでも重ねてみると端に段差ができることがあります。
革は可塑性(伸びたりする性質)があるので、トコノールなどで床面を磨いただけで少し寸法が変わることもあります。
カッターナイフで切れるほどの段差なら、カッターナイフで切ってください。
カッターナイフで切るほどではない場合は、やすりなどで断面を綺麗にしましょう。
パスケースを縫う
ネジ捻を3ミリに合わせて、縫い線のガイドラインを付けていきます。
菱目打ちを必ず打ちたい箇所には目打ちで基点(印)をつけましょう。
縫い穴をあけていきますが、基点にピッチ(穴の間隔)が合うように、間隔を調整しながら縫い穴をあけていきます。
菱目打ちで縫う前に糸を通す穴をあける 型紙をつくって、革を裁断し、ガイドラインを引いたら縫うのですが、その前に …
縫い穴をあけたら、ロウを引いた糸で縫っていきます。
コの字に縫い、始点と終点はフチに糸をかけて丈夫にしましょう。
レザークラフトの縫い方の基本は「平縫い」と呼ばれるものです。2本の針を交互に刺して縫っていきます。菱目打ちの縫い穴の形状を意識していれば、革に綺麗な縫い目ができるように縫うことができます。何度も練習して均一な縫い目になるようにしましょう。
縫い終わったら、木づちの側面(綺麗な面)で叩いて、糸をならしていきます。
最後にコバを磨いて完成です。