レザークラフトの手縫いの最初の工程はガイドラインを引くこと
型紙をつくって、革を裁断したら、いよいよ縫製です。
レザークラフトの手縫いの工程は大きく3つの工程があります。
- 縫う場所にガイドラインを引く
- ガイドラインに沿って菱目で縫い穴を開ける
- 手縫い用の針と糸で縫い合わせる
一般的な布の縫製だとミシンが縫う位置をガイドしてくれたり、針がそのまま布を貫通してくれるので、レザークラフトの手縫いの工程は特殊ですよね。
この記事ではレザークラフトの手縫いのガイドラインを引く道具と方法をご紹介します。
手縫いのガイドラインを引くレザークラフト道具
ガイドラインを引く道具って本によって書いてる道具が違うんだけど~?
そうだよね。
ただ、どれもだいたい同じような使い方で簡単に使えるので、難しく考えずに使いやすいものを選べばいいですよ。
レザークラフトの手縫いのガイドラインを引く道具は大きく4種類あります(細かく分けるともっとありますが)。
それぞれに特徴があるので以下でご紹介します。
飾り捻も付けやすい「ネジ捻」
ネジ捻は金属へラ2本にハンドルを付けたような道具です。金属部分はピタッと閉じるような力がかかっていて、ネジを回すことによって金属部分を開く構造になっています。
ネジ部分を調整して、ガイドラインを引きたい長さに調整し、片方の金属部分をコバにあてながら、もう片方の金属部分で革にラインを引いていきます。立てて使うのがコツです。
ネジ捻はネジで片側から開く方向に力がかかっているだけなので、力をいれすぎたり、力を入れる方向がずれると、ガイドラインがずれることがあります。
レザークラフト用に作られた「ディバイダー」
ディバイダーでネット検索すると製図用のコンパスが出てきます。
レザークラフトで使うディバイダーは、レザークラフト用の工具として作られています。違いは製図用は先が鋭利に尖っているのですが、レザークラフト用のディバイダーは革に傷をつけないようにやや丸くなっています。購入するときに間違えないようにしましょう。
また、レザークラフト用のディバイダーでも先が鋭利になっているものもあります。その場合は、革が傷つかない程度にヤスリで丸くして使うとよいでしょう。
構造的にはネジ捻と同じですが、ネジ捻のハンドルがないバージョンって感じでしょうか。
使い方はネジ捻と同じで、線を引きたい間隔に開いて、片方の足をコバにあてて、もう片方の足で革にガイドラインを引きます。
糸を溝に収める「ステッチンググルーバー」
ステッチンググルーバーは、他の道具と違ってガイドラインの線を引くのではなく、溝を掘ります。
ガイドラインに溝を掘ることで、縫った時に糸が溝に入るので、縫い目の凸凹が目立たなくなり、仕上がりがフラットに近くなります。
上の写真では細い糸を使っているので、溝あり・なしでそこまで差はないですね。
太い糸の時は結構差がでますよ。
また、フラットにすることで糸の摩耗を防ぐことができます。ただし、薄い革に溝を付けた場合は、溝の部分がさらに薄くなるので耐久性が低くなることもあります。
使い方はネジ捻と同じで、幅を調整して、ガイド部分をコバにあてて、刃を革にあてて溝を掘ります。
ステッチンググルーバーの刃は、刃が入る角度が決まっているので、一定の角度を保ちながら引くのがポイントです。
コロコロと跡をつける「ステッチルレット」
ステッチルレットはガイドラインを「引く」のではなく、縫い穴の「あたりをつける」道具です。
一定の間隔で歯がついたローラーが付いていて、革の上でローラーを転がすと、一定の間隔で縫い穴の場所にあたり(跡)がつきます。
ただ、フリーハンドでまっすぐコロコロするのは難しいので、結局ネジ捻などでガイドラインを引いてから、その上をコロコロすることになります。
また、跡を付けたところに穴を開ける場合は、菱目打ちではなく菱ギリで一つずつ穴を開けます。というのも、2本や4本の菱目打ちは、ステッチルレットと同じ幅でもコンマミリ単位で幅が違うので、最終的にズレることがあるからです。
おすすめのガイドラインを引く道具
うーん、結局何を使えばいいの?
おすすめはやっぱりスタンダードなネジ捻かな。
ガイドラインの線が綺麗につくし、何より扱いやすいのがいいね。
綺麗に線がつくってことは「飾り捻」にも向いてるし。
とはいえ、ガイドラインの付き方は各道具でそれぞれ違うので、使ってみて好みの道具を選べばいいと思います。
レザークラフトで手縫いのガイドラインを引くポイント
ガイドラインを引くのは難しいことではないですが、いくつか注意点があります。
革に跡を付けると、革の種類によっては元に戻らない場合もあります。出来上がった作品の機能的には問題ないですが、見た目的に跡が見えてしまうと嫌ですよね。
以下に特に注意したい点をご紹介します。
ヘリから何ミリのところにガイドラインを入れるか
レザークラフトの本などでは一般的にヘリから3ミリのところにガイドラインを引くと書かれているものが多いです。
自分で図案をデザインする際には、どの部分を縫うのかまでデザインしておく必要があります。
縫う位置をおろそかにしてしまうと、カードケースでカードが入らないとか、逆にブカブカすぎるなど、仕上がりのクオリティが下がってしまいます。
本に付いている型紙や、ネット上でダウンロードした型紙には縫う位置を記載しているものも多いので、その場合は型紙にしたがいましょう。
始点・基点・終点や段差に注意
縫うスタート位置や縫い終わりの位置に印をつけておくと、ガイドラインをどこまで引けばいいのかわかりやすいです。
また、段差などはガイドラインがずれやすいので丁寧に行いましょう。
角などのカーブでも注意が必要です。角は勢いあまって飛び出してしまうことがあります。
基本的にガイドラインは縫ってしまえば見えなくなるので、きっちり引かなければならないというわけではありません。
縫う位置さえわかればいいので、不安な場合は手前まで引くというのもアリです。