レザークラフトの手縫い糸の選び方
レザークラフトの初心者キットに「エスコード」って糸が入ってたけど、糸って他にもあるの?
手縫いの糸は素材や色、太さ、ロウのあるなしでいろんな種類があるよ。
自分が作りたいもの、好みのテイストに合わせて選べばいいよ。
レザークラフトを始めた頃は、初心者キットなどに入っている麻糸「エスコード」を使うことが多いですよね。
次の段階で糸を選ぶという場合、太さや素材、色など、種類が多くて悩んでしまいます。
基本的には自分の好きなものにすればいいのですが、自分の好きな作風にするにはどういう糸を選ぶのかわからないということもあります。
この記事では、手縫い糸が選べるようになるための糸の解説をします。
[手縫い糸の選び方]糸の太さや色によって変わる作風
画像引用:楽天市場
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写真の上は「太い糸」で、下は「細い糸」で縫われています。
糸だけを見れば、太い糸のほうがカジュアル寄り、細い糸のほうがシックに感じるのではないでしょうか。
画像引用:楽天市場
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続いての写真の上は「革に対して目立つ色」で、下の写真は「革と同系色」の糸で縫われています。
この場合も糸だけを見れば、目立つ色のほうがカジュアル寄りであり、同系色のほうがシックに感じると思います。
これをグラフにすると以下のようになります。
ちなみに縫い目の幅(ピッチ)も関係あるのですが、ピッチは広いと穴が大きく太い糸が合うし、ピッチが狭いと穴が小さく細い糸が合うので、「広い」とカジュアル寄り、「狭い」とシック寄りとなります。
自分が「好き」と感じる革アイテムが、グラフのどの部分になるか考えるとおのずと選ぶべき糸が見えてきます。
なるほど!
作りたいテイストが決まってれば、糸の太さと色はだいたい決められるわね!
革の風合いや色でもカジュアルかシックかは違いますが、今回はあくまで糸だけに注目してるよ。
何をもってカジュアルかは人によって違いますので、あくまで一般的なイメージとしてってことで。
糸って実は「太さ」ではなく、「重さ」で単位を決めているので、太さは素材によっても変わるし正確には表記できません。
ただ、太さがイメージできないと糸が選べないと思うので、以下に目安の表を作りました。あくまで目安程度ですよ。
[手縫い糸の選び方]素材で選ぶ
手縫い糸の素材は大きく分けると2種類に分かれます。
天然繊維である「麻糸」と、ナイロンやポリエステルなど人工的に作られた「化学繊維の糸」です。
麻糸と化繊か~
で、結局どっちがいいの?
う~ん、これもどっちがいいとかは無いんだよね~
好きな方、使いやすい方を選べばいいと思うよ。
【一般的な特徴の違い】
素材 | 特徴 |
---|---|
麻糸(リネン) | ・化繊より弱い ・短繊維(スパン)糸でソフトな風合い ・毛羽立ちやすい ・ナチュラルで自然 |
化学繊維(合成繊維) | ・麻糸より強い ・糸質にムラがなく均一 ・耐久性に優れる ・美しくなめらか ・火を使って糸止めできる |
上記はあくまで一般的な特徴で、高級な麻糸は美しさや耐久性もあるし、逆に品質の悪い化繊だってあります。
また、レザークラフトの手縫いの場合、糸に蝋を付ける「蝋引き」という工程が必要になりますが、あらかじめ蝋が引いてある糸もあります。
「ロウ引き」「ロウなし」などと商品名に表記されています。
いろいろ使ってみて好みの糸を見つけてください。
ちなみに、Amazonは中国製のよくわからない糸がたくさん売っているので、個人的には楽天市場のレザークラフトショップか、レザークラフトショップのオンラインショップで購入するのがおすすめですよ。
麻糸の手縫い糸おすすめ
このラミー糸はレザークラフトの書籍でもおなじみの野谷久仁子さんが監修した初心者から上級者まで使いやすい手縫い用麻糸です。
ロウあり・なしと両方あるので、自分で蝋引きしたい人も、蝋引きの手間を省きたい人にもおすすめです。
カラーも全10色あるので、好みの糸が見つかりますよ。価格もお求めやすいのも嬉しい。
太さは(太)が16/5番手(約1.0㎜)、(細)が20/3番手(約0.6㎜)です。
エスコードでもいいんですが、エスコードは袋にぼさっと入ってるので糸が取りにくいのが難点です。
いちいち芯に巻きなおすのも面倒なので個人的には使ってません。
麻糸にもこだわりたいという人には、「SINCEワックスリネン」がおすすめです。
このワックスリネン糸は、麻糸ながら耐久性に優れ、ハリがあり美しくしなやかな糸になっています。
スイスの糸を検査・検証する機関であるSGS国際検査に認証されている高品質の手縫い用の麻糸です。
カラーも全19色あり、発色も美しいので一度使ったら病みつきになりますよ。ただ、値段は少し高めになっています。
化学繊維の手縫い糸おすすめ
レザークラフトをする人がよく使っている化繊の糸は、ビニモの糸です。
ビニモの糸はミシン用が一般的ですが、手縫い用のロー付き糸も販売しています。化学繊維なので、耐久性もあり、全23色とカラーバリエーションも豊富です。
太さは太い順に#00・#0・#1・#5・#8と5種類あり、細かいニーズに応えてくれます。
シニュー糸は大昔は鹿などの動物の腱で作った糸のことを指しました。現在では、そのシニュー糸をナイロンの繊維で模した糸が一般的になっています。
シニュー糸はそのままでは太い糸で、自分の好みの太さになるように糸を割いて使うことができます。いろんな太さにできるメリットもありますが、ひと手間かかってしまうデメリットもあります。
あと、色展開が少なく、ナチュラルな色しかないので、革の風合いを生かしたい人におすすめです。逆にカラフルな糸を使いたい人には向いていません。
手縫い糸の選び方まとめ
上の写真はいろいろな糸で同じように縫ったものです。同じように縫っているのに、縫い目の美しさが違いますよね。
これも好みですが、ナチュラルで素朴な風合いが好きな人はシニュー糸や安い麻糸が魅力的に見えますし、かっちりした印象にしたい人は化繊や高い麻糸が好きでしょう。
糸はたくさんの種類が売られているので迷いますが、縫い目の好みや、使いたい色や太さで選べばいいでしょう。
使い勝手もロウ付きとロウ無しでも全然違うし、麻糸と化繊でも雰囲気が変わります。
最初はいろいろな糸を試してみて、好みの糸を見つけるのもいいかもしれません。