レザークラフトの手縫いの基本の縫い方
レザークラフトの縫う工程は、布の縫製とは違い、革にガイドラインを引いて、菱目打ちで穴をあけてから、ようやく糸で縫います。
あらかじめ縫い穴があいているので、綺麗に穴さえあけられていれば、縫い目を均一にまっすぐ縫うことはできます。
しかし、綺麗な縫い目にするには、菱目の穴の形状や針を通す位置を意識しなければいけません。
この記事では、基本の「平縫い」で綺麗な縫い目にする方法を紹介します。
レザークラフト手縫いの基本ポジション
レザークラフトで手縫いするときには、革を身体に対して縦にポジショニングするのが一般的です。
なんか革を挟む板みたいなものも必要?
あれは「レーシングポニー」とか「ステッチングツリー」っていうんだよ。
あると縫いやすいけど、革小物くらいなら無くても全然大丈夫。
この記事では、縫う位置や方向がわかりやすいように、革を固定するためにステッチングツリーを使用してます。
革を縫うときには、縫い始めの始点を奥にして、手前に縫っていくように革をセッティングします。
そして、右側が表(銀面)、左側が裏(床面、銀面の場合もある)になるようにします。
「表」というのは、作品が出来上がった時に「よく見られる部分」ですね。例えば二つ折りの名刺入れなら、外側が「表」、内側が「裏」のような感じです。
※このポジショニングは書籍などにもよく掲載されているものです。人によっては手前から奥に縫う人もいます。
手縫いの縫い始め
縫い始めは丈夫にするために2目ほど2重に縫うのが一般的です。ちなみに「縫い始め」のみ手前から奥に縫うことになります。
始点から2目を空けて、3目めの左側(裏側)から針を通します。
ちょうど左右の糸の長さが同じになるように引っ張ります。
奥に1目、左側(裏側)から針を刺して、右側から引っ張ります。
引っ張った糸を奥によけて、もう一方の針を右側(表側)から刺して引っ張ります。
糸を両方から引き締めます。力加減は均一にしましょう。また、革の厚さや硬さによって、ちょうどいい力加減を探ってください。
始点に、左側(裏側)から針を刺して、右側から引っ張ります。
引っ張った糸を奥によけて、もう一方の針を右側(表側)から刺して反対側に引っ張ります。
先ほどと同じ力加減で両方から引き締めます。
一目手前に戻るように、左側(裏側)から針を刺して、右側から引っ張ります。
その時、最初に通した糸の上に2周目の糸が来るように、穴の上の方から刺すようにします。
引っ張った糸を手前によけて、もう一方の針を右側(表側)から刺して引っ張ります。
ここでも、最初に通した糸の上に2周目の糸が来るように、穴の上の方から刺すようにします。
そして、両方から引き締めます。
さらに一目手前に、左側(裏側)から針を刺して、右側から引っ張ります。
ここでも、最初に通した糸の上に2周目の糸が来るように、穴の上の方から刺すようにします。
引っ張った糸を手前によけて、もう一方の針を右側(表側)から刺して引っ張ります。
ここでも、最初に通した糸の上に2周目の糸が来るように、穴の上の方から刺すようにします。
両サイドから出た糸を引き締めます。
このように始点から2目分で糸が2重に上下に並ぶように縫えたらOKです。
糸がクロスしたり、重なって1本に見えたりしないようにしよう。
「平縫い」の縫い方
レザークラフトで基本的な縫い方となるのが「平縫い」と呼ばれる縫い方です。
奥から手前に縫う、裏側(左)から針を刺す、がポイントです。
縫い始めの2重縫いが終わったところから平縫いのスタートです。
①一目手前に左側(裏側)から針を通して反対側に引っ張り出します。
②引っ張り出した糸を手前のやや下方向に引きながら、もう一方の針を右側(表側)から同じ穴に通します。
「やや下方向に引く」理由は以下の図で解説します。
理想的な縫い目は、すべての縫い目が、菱目打ちであけた菱形の穴の下から上に斜めに通る状態になっていることです。
最初に左側(裏側)から通して右側に出した糸を、菱形の斜め下方向に引くことで、菱形の上にスペースがあき、そこにもう一方の針を通すと、綺麗に下から上に縫い目ができるというわけです。
菱目の穴の形に対して糸がどのように通るか理屈がわかれば、綺麗に縫うにはどうしたら良いかわかってきますよ。
③両方の糸を引き締めます。
【引き締めのコツ】
写真ほど大げさに上下に引かなくてもいいですが、方向を意識すると縫い目が綺麗になります。
上記の①~③で一目縫えたことになります。あとはこれらの作業を終点まで繰り返していけば平縫いができます。
終点まで縫えた時に上のようになっていればOKです。