手縫い用の針に糸を通す方法
革にガイドラインを引いて、菱目打ちで糸を通す穴をあけたら、ようやく糸で縫う工程に入れます。
レザークラフトの手縫いの工程は大きく3つの工程があります。
- 縫う場所にガイドラインを引く
- ガイドラインに沿って菱目で縫い穴を開ける
- 手縫い用の針と糸で縫い合わせる
この記事では手縫い用の針に糸を通す方法をご紹介します。
針に通す前に手縫い糸の長さを決める

針に糸を通す前に、糸の長さを決めます。
レザークラフトでは、縫う距離に対して、約4倍くらいの長さにします。革に厚みがある場合は、それよりやや長めにとりましょう。

上のパスケースでも3辺縫うと90センチくらいの長さになります。
ただ、例えばトートバッグの持ち手など、長い糸が必要な場合は、4倍の長さを取ると一目ごとのストロークが長くなり縫いにくいので、分けて縫うことも考える必要があります。
目安は両手を広げた距離以上になる場合に、分割するとやりやすいです。
蝋引きして毛羽立ちを抑える

レザークラフトの糸は、蝋引き(ロウでコーティング)する必要があります。
革は布と違って糸に負担をかけるので、摩耗して毛羽だったり傷みやすくなります。そのため、ロウでコーティングして毛羽立ちや摩耗を抑えます。縫い目の緩みも防止してくれます。
すでに蝋引きしている糸も売られていて、ロウ付きの糸は蝋引きする必要はなくそのまま使えます。
手縫い糸を蝋引きする方法

ロウと指の間に糸を挟んで、反対の手で糸を引っ張ります。何度か繰り返して、糸をコーティングします。
糸が長い場合は、何カ所かに分けて、糸の端から端までしっかりロウが付くようにしましょう。

ロウがきちんと引けたら、糸を持った時に糸がピンと立ちます。毛羽立ちが無いことも確認しましょう。

ロウで手がべたつくのが気になる場合は、ハギレの布などを使って、ロウを直接触らないようにする方法もあります。
針に糸を通す方法 3パターン
レザークラフトの書籍によって、針に糸を通す方法が異なっています。
とくにどれが正しいということはなく、要は縫っている時に針から糸が外れず、縫いやすければOKというわけです。
以下では、針に糸を通す方法2パターンをご紹介します。

なお 通す前に糸の端を斜めにカットしておくと通しやすいですよ。
その1 針に糸を通すパターン

針に糸を通して、通した部分を針の2倍の長さにします。

針穴に通した糸の真ん中あたりに、糸を裂くように針を刺し通します。

もう一度その糸を折り返して、糸を裂くように針を刺し通します。

針に刺さった糸を、針の後ろに寄せます。

そのまま糸を後ろに引っ張ります。
2本の糸をねじってまとめます。必要があれば、その部分を再度蝋引きしてください。

逆サイドにも針に糸を通して準備完了です。

その2 化繊糸のみで使える裏技
ポリエステルやナイロンなど化学繊維の糸でのみ使える方法を紹介します。ミシン用の糸を手縫いで使いたいときにも可能です。

切り出して蝋引きした糸の端を、ライターなどを使い火であぶる

すぐに溶けた糸の端を指で潰して平らにします。火傷しないように気を付けてください。

その状態で針に通します。糸の先の塊が大きいと穴に入らない場合があるので、あまり大きくしないようにしましょう。

平らにした糸の端の根元に、糸を裂くように針を刺します。

そのまま糸の端を針の後ろに持っていき、針から外します。

長い方の糸を引っ張れば、平らになった糸がすぼんで完了です。
こちらの方法は以下のブログを参考にさせていただきました。
[参考]>> 縫い針に糸を結ぶチョ~簡単な方法(ビニモ編)
針に糸を通すワンポイントアドバイス
ここからは針に糸を通す工程において、ちょっと役立つワンポイントアドバイスを紹介します。
太い糸は糸端を処理する
針に糸を通した部分は糸が2本になるので、太くなってしまいます。
特に太い糸を使用する場合は、糸が菱目打ちで開けた穴に通りにくくなることもあるので、糸の端を処理して細くしておくと扱いやすくなります。

まず、糸の端8センチくらいを糸の撚りをほぐす方向にねじりほどきます。

ナイフの頭などで糸をしごきます。糸が細くなるまで行います。
カッターナイフを固定して、糸を引くのがコツです。

そのあと蝋引きすれば、糸の先は細くなります。
針先が鋭利な場合はやすりで丸める

レザークラフトの手縫い用の針は、基本的には先が丸くなっていて、革を傷つけないようになっています。
それでも革に引っ掛かったり、鋭利に感じる場合は、やすりなどで針の先が丸くなるように削るという方法もあります。
ただし、丸くしすぎるとファスナーの布部分や裏地の布に針を入れる時に、入れにくくなるので注意してください。
ロウがガタガタになったら火で整える

蝋引きをしていくと、ロウの角がガタガタになっていきます。

そのままだと使いにくいので、火で軽くあぶって凹凸を整えると使いやすくなります。
整える時に手で触らないようにしましょう。火傷します!ハギレの革などで整えるといいですよ。





