レザークラフト初心者用道具

革でできた財布や名刺入れ、ペンケースやキーケースなどは、高級感があって魅力的です。

普通に買おうとすると布製のものより断然高価な買い物になります。

しかし、自分で作れば安く済むし、何より自分だけのオリジナル革小物ができるので楽しいですよね。

レザークラフトに興味があるけど、どんな道具を揃えていいのかわからない人のために最低限必要な道具をご紹介します。

レザークラフトの主な工程

道具の前にレザークラフトではどういった工程があるのかを知っておく必要があります。

レザークラフトの基本工程
  • カットする。切る。裁断する。
  • 貼り合わせる。くっつける。
  • 縫製。縫い合わせる。
  • 研磨。磨く。
  • 穴を開ける。

基本的には革をパーツごとにカットし、貼り合わせたあと、縫い合わせて、コバ(断面)を磨いて仕上げ、(穴を開けて)金具などをつける、という感じになります。

また、ほとんどの場合、趣味でレザークラフトとをする時は縫製は「手縫い」が主流となります。

市販で売っている革製品はミシンで作られているものも多いですが、縫製は1台数十万円もする工業用ミシンが使われています。

革は布と違って分厚いので家庭用ミシンで縫うことは基本的にはできません。厳密にはできないことは無いですが、針や押さえを替えたり、超薄い革を使うなど条件がかなり限られてきます。

革を「切る」時に使用する道具

レザークラフトの「切る」工程は、「型紙を切る」「革を切る」「布を切る」ということがあります。

カッターナイフ

カッターナイフ

レザークラフト職人が切る工程で使用するのは「革包丁」と呼ばれるお好み焼きのこてのような刃物です。

しかし、レザークラフト初心者であればカッターナイフで十分です。

ただ、革を切る工程は刃の切れ味がとても重要になるので、100均などで売っている安価なカッターナイフを使うと失敗しやすくなります。

布と違って革は高価なので、100均のカッターナイフで切るのを失敗すると、結果的にコスパが悪いことになります。

だから経験上カッターナイフは少し良いものを買ったほうがいいと思っています。と言っても1000円もしませんけどね。

あとは握りやすい大き目のカッターナイフがおすすめです。

カッティングマット

カッティングマットは革を裁断するときに下敷きにするものです。

これも100均などで売っていますが、100均のものはかなり薄いので心もとないからやめておきましょう。

カッティングマットは目盛りが付いているものを選ぶと、初心者は特にカットしやすいでしょう。

ただ、個人的にはカッティングマットよりもビニ板と言われる透明のビニールの厚い板のほうが作業はしやすいです。

ビニ板は机全体に敷くと、机全体で作業ができ、敷いたまま他の作業もできるので、カッティングマットを出したりしまったりする必要がなくなります。

値段も安くサイズもオーダーできるので、大きな革製品を作るときには購入を検討してもいいでしょう。

目打ち

目打ち

目打ちというのはレザークラフト特有のものですが、簡単に言えば「キリ」「千枚通し」ですね。

革を裁断するときに、型紙を革の銀面に置き、型紙を目打ちでなぞります。すると、革に型紙の形の跡(キズ)がつくので、その線に沿ってカッターナイフ等で裁断するというわけです。

革の銀面が尖ったもので傷がつきやすい性質を利用しているんですね。

そのほか、目打ちは例えばパーツの貼り合わせる位置の目印をつける用途でも使用します。

「目打ち」と間違えやすいもので、他に「菱目打ち」という道具があります。これは縫うときの穴を開けるもので、先端が菱型をしているので間違えないように注意してください。

定規(金属製または金属付き)

革職人などは直線も革包丁でフリーハンドで裁断したりしますが、カッターナイフでフリーハンドのカットは難しいので直線は定規を使います。

カッターナイフで傷がつかないように金属製の定規にするか、アクリル製でも片側に金属が入っている裁断用に作られた定規を購入しましょう。

定規は短いと薄くもなるので使いにくいです。だから最低30㎝以上の長めの定規のほうがいいでしょう。

個人的には透明なアクリル製(背中にカッティング用のステンレス付きのもの)の目盛り付きが使いやすいと思います。

革を「貼り合わせる」時に使う道具

布で何かを作るときには、布同士をマチバリで仮止めしてから縫製しますが、レザークラフトの場合はマチバリだと穴が開いて目立ってしまうので使いません。

革の縫製では、ボンドや粘着テープなどで革を貼り合わせてからミシンや手縫いなどで縫製します。

ゴムのり

ゴムのりというのは、普通ののりや接着剤と違って、乾いてから貼り合わせるというものです。

また、貼り合わせるものの両方に塗る必要があるというのも特徴ですね。

粘着力はそれほど強くなく、剥がしたり、もう一度貼り合わせたりできるので、革の仮止めに最適です。

そのほか、コピー用紙に印刷した型紙の図面を、厚紙に貼りつけるときにも便利で、水のりのようにシワシワにならないのでキレイな型紙に仕上がります。

※Amazonなどで「ゴムのり」と検索すると、チューブタイプの接着剤等がたくさんでてきますが、「革用」などと書いていてもそれは修理用のものなので注意してください。レザークラフト専門店で買うのが確実ですよ。

【関連記事】レザークラフト材料のおすすめショップ11選【初心者向け】 

ヘラ

ゴムのりを塗るときにはヘラを使うと便利です。

ヘラはトコノールなどを塗るときにも使用しますし、胴合わせで袋状に縫い合わせたものを裏返して角を出すときにも役立ったりします。

こちらは100均で購入しても問題ありません。大きめのヘラと小さめのヘラがセットになったものを選ぶといいですよ。

両面粘着テープ

内縫いの縫いしろ同士を貼り合わせたり、ファスナーを仮止めするときには両面テープを使用することもあります。

ゴムのりとの使い分けは、革を合わせた部分がビジュアル的に外に出る場合はゴムのり、内縫いなど外見的には見えない部分やパイピングする部分、ファスナーなどは両面テープという感じです。

幅は3mmと5mmのものがあると便利です。

といっても全部ゴムのりでもいけるので要らないと言えば要らないですが。私はあると便利だと思います。

革を「縫う」時に使う道具【手縫い】

レザークラフトの醍醐味ともいえるのが「手縫い」の作業ですよね。

私は家に工業用ミシンがあるので、ミシンでは縫えない構造の時しか手縫いはしませんけど。

ステッチンググルーバー

ステッチングルーバーは、手縫いをするときの縫い筋のガイドラインを引くものです。

ミシンだと機械で勝手にまっすぐ縫うことができますが、手縫いでまっすぐ縫うのは難しいのであらかじめラインを引いておくわけです。

他の使い方として、単純に装飾としてラインを入れたいときに使用することもあります。

安いものは作りがちゃちいものがあるので、あまり安すぎるものは買わないほうが賢明です。

ガイドラインを引く道具はほかにも「ネジ捻」「ディバイダー」という形状が違うものもあります。

菱目打ち

菱目打ち

レザークラフトの場合、布と違って針を通す場所にあらかじめ穴を開けておかなければいけません。

ステッチンググルーバーなどで縫い筋のガイドラインを引いたら、その上に等間隔に針を通す穴を開けます。

そのための道具が菱目打ちです。菱目打ちは先が菱型になっていて、爪が1つのもの(千枚通しみたいな形)から6つのもの(フォークみたいな形)まで種類があります。

穴を開ける感覚も3ミリ、4ミリ、5ミリとあり、作るものの大きさによって変えていきます。基本的には小物は3ミリ、バッグなど大きなものは5ミリと考えればいいと思います。

最初は革小物から作ると思いますので、1穴タイプと3ミリ間隔の2穴タイプと4穴タイプの3本あれば十分です。

縫い針

縫い針

どこの家庭にも裁縫セットがあり、中に「縫い針」もあると思います。しかし、レザークラフトは革専用の縫い針を用意しないといけません。

レザークラフトはあらかじめ針を通す穴を開けておくので、針が鋭い必要はありません。そして、ひと針ひと針しっかりと引っ張る必要があるので、手で持ちやすい長さや太さが必要になります。

針があれば糸もあります。こちらも裁縫セットに入っているような布用のものではなく、レザークラフト専用のものを用意します。

レザークラフト初心者向けの本などには麻糸に蝋をつけて縫うということが書いていますが、正直最初から蝋が引いてある「蝋引き糸」を使用するほうが合理的です。

基本を知ることも大事ですが、省ける手間は省くほうがレザークラフトも楽しく続けられます。ただ、よりハードなディテールを求めるのであれば麻糸のほうがカッコいい場合もあります。

革小物であれば以下の商品がおすすめです。

木づち・ゴム板・コルク板

目打ち

菱目打ちで革に穴を開ける時には、菱目打ちを木づちで叩いて穴を開けます。

机に傷がつかないようにゴム板を下敷きにします。ちなみにカシメなどをつける時にもゴム板や木づちは使用します。

コルク板は立体的に組み上げた状態で、平置きしにくい革に穴を開ける時に使用します。コルク板を穴あけ箇所に押し当てて、菱目打ちで貫通させます。

革を「磨く」ときに使う道具

革の断面は磨いて処理するとツルツルにできます。また、染料で色をつけることもできます。

また、繊維が毛羽だった床面(革の裏面)の毛羽もトコノールをつけて磨くとツルツルにできます。

トコノール

トコノール

主に革の床面の繊維をならしてツルツルにするときに使用します。

床面に薄く延ばしてガラス板で磨くとキレイに仕上がります。ガラス板も買いましょう。

コバ磨き帆布

タンニンなめしの革(ヌメ革)のコバに染料を入れる前に、水を付けて帆布で磨きます。(クロームなめしの革では行いません)

コバの角を押さえながら磨くと、コバの角が取れてキレイな形になります。この工程でコバをある程度ツルツルにして、染料を入れていきます。

帆布のハギレは色のついていないものなら何でもいいです。レザークラフトショップなどにも売っていますし、初心者キットにも付いていることが多いです。

コーンスリッカー

コーンスリッカー

コバ(革の断面)を磨くときはコーンスリッカーというものを使用します。

コバの処理方法は、やすりなどでならしてから、水を付けて帆布で磨きます。これだけでもツルツルになるのですが、そのあとに染料をつけて磨くという工程を2~3回繰り返すとキレイなコバになります。

キレイなコバ

初心者キットが便利

上記では単品でいろんな道具を紹介しましたが、レザークラフトを始めようと思っている人はたいてい「初心者セット」を購入する場合が多いです。

初心者セットには上記の道具のほとんどが入っているので、何も考えずにスタートできます。

また、道具は中国製の安いものもありますが、やはり作りがちゃちかったり、切れ味が悪かったりするので道具は値が張ってもいいものを買ったほうがいいですよ。

何を買っていいのかわからないという人はとりあえず以下のセットをお勧めします。

上のセットではゴムのり、カッターナイフ、カッティングマット、定規、コーンスリッカーは付いてないので別途購入してください。糸も麻糸なので、もっと繊細な糸がよかったらビニモ5番も別途用意するといいですよ。

それらを揃えても12,000~13,000円くらいですから、趣味にかけるお金としてはそんなに高くないと思います。といっても、革そのものが高いですけどね。

ということでレザークラフトに興味がある人は、革小物づくりを一緒に楽しみましょう。