薄い革や柔らかい革を使ってバッグなどの大きなものを作る場合、芯材をつけないとクタッと張りのない仕上がりになってしまいます。
今回は芯材の中でもシール状で使いやすい「スライサー」の使い方を紹介します。
芯材とは
芯材とは「芯」というだけあって、革の裏に貼り付けたりすることで、革製品に張りを持たせて形を安定させたり、強度を上げてくれます。
バッグの底などが上部で硬くなっているのは、厚い芯材が入っているからです。
また、財布など薄めの革を使用しているものにも形状を安定させるために芯材が入っていることが多いです。
スライサーとは
今回紹介するスライサーというものはシート状になっている芯材で、裏がシール状になっているので剥がすだけで貼り付けることができるものです。
厚さは0.3mmのものと0.6mmのものがあります。(上の写真は0.6mm厚)
スライサーはそんなに硬くないので、どちらかと言えばカッチリした形状を維持するというよりも、自然な風合いの張りを持たせるような「補強」の役割が強いです。
ですから、バッグやポーチなどによく利用されます。
そのほか柔らかい革に金具をつける場合などに補強として、金具部分にのみスライサーをつける場合もあります。
スライサーの使い方
スライサーは小さくカットされているものと、ロール状の大きなタイプが売られています。
1.貼りたい革より大きめにカットする
まずは貼りたい革より大きめにスライサーをカットします。
型紙をスライサーにあてて、それより一回り大きく適当に切れば大丈夫です。
2.スライサーのシールを剥がし革を貼る
切ったスライサーの裏のシールを剥がし、作業台に粘着面を上にして置きます。
貼る革を床面を下にして、スライサーからはみ出ないように合わせて貼り合わせます。
その時に空気が入らないように気を付けてください。(スマホの画面保護シートを貼る要領で)
上のようにスライサーがはみ出した状態になります。
キレイに貼り合わせることができたら、はみ出したスライサーをカットします。
丸い革のパーツ2枚に貼り合わせて、表と裏を撮影したものです。
柔らかかった革に「張り」が出ました。
3.ローラーで圧着する
最後にローラーで革とスライサーを圧着します。
力を入れすぎると革にローラーの跡がつきますので、力を入れすぎないようにしましょう。
ローラーと革の間に厚紙などを挟むと失敗せずにできます。
こちらは長方形の革のパーツにスライサーを貼り合わせたものです。
裏が床面ではなくスライサーになっています。
この革は1.4mmのイタリアンレザーで柔らかかったので、バッグを作るときにスライサーを使いました。
まとめ:芯材をうまく利用しよう
革というのは動物の個体によっても硬さが違いますし、タンニン鞣しやクローム鞣しなどの鞣し方でも硬さは変化します。
さらに革の厚みによっても硬さは違いますから、作るレザーアイテムにバッチリ合った革に出会うのはなかなか難しいです。
見た目が気に入った革でも、硬さによって向き不向きがあるので、そういう時に上手に芯材を使うといいでしょう。